クチナシの香りが苦手だった。
暑い盛りに咲く白い花。
香りの強さはユリと同じくらい。
香りの甘さはステラおばさんのクッキーの店の前で待ちあわせをするくらい。
不意にあの香りに出逢うと、香水を付けすぎだ女性に満員電車で隣り合わせてしまった気分になる。
ここのところ喉が痛くて、昨晩から熱っぽくて、熱射病みたいな雰囲気だったので少し早退させてもらった。
帰り道、花屋でクチナシが売っていた。クチナシを店頭で見るのも珍しい。
香りのあるバラを買おうと思ってたけど、クチナシを購入した。
なんだかすごくいい香りに感じた。
体調と嗅覚の変化は関係しているんだろうな、多分。