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2012F1第20戦 ブラジルGP決勝

いやぁ、波瀾万丈のレース。 見応えあった、面白かった。続き

フェテルが史上3人目の3連覇、史上最年少 ブラジルGP決勝

 F1世界選手権シリーズ今季最終第20戦・ブラジルGPは25日(日本時間26日未明)、サンパウロのインテルラゴス・サーキット(1周4.309キロ)で24台が出走して71周の決勝を行い、セバスチャン・フェテル(ドイツ=レッドブル・ルノー)が3年連続でドライバー王座を獲得した。

 3連覇はフアンマヌエル・ファンジオ(アルゼンチン)、ミヒャエル・シューマッハー(ドイツ=メルセデス)に続く史上3人目。25歳145日は、3度目の王座獲得としてはアイルトン・セナ(ブラジル)の31歳213日を抜き、史上最年少となる。

 フェテルは決勝を6位でゴール。選手権ポイントを281点とし、2位でゴールしたフェルナンド・アロンソ(スペイン=フェラーリ)を、3点差で抑えた。

 ジェンソン・バトン(英国=マクラーレン・メルセデス)が1時間45分22秒656(平均時速174.178キロ)で、第12戦・ベルギーGP以来の今季3勝目、通算15勝目。アロンソが2位、フェリペ・マッサ(ブラジル=フェラーリ)が3位。

小林可夢偉(ザウバー・フェラーリ)は9位でゴール。ザウバーでの最後のレースを今季2戦ぶり9度目の入賞で終え、選手権ポイント60点でランキング12位とした。

 今季限りで2度目の引退となるシューマッハーは7位だった。

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 レースは小雨が降る中でスタート。いったん弱くなった雨が、終盤に強くなる、難しいコンディションで行われた。

 7番手発進のアロンソが好スタートで5番手に上がり、2周目にはマーク・ウェバー(豪州=レッドブル・ルノー)らを抜いて3位に浮上する一方、4番手発進ながら出遅れたフェテルは、スタート直後の第3コーナーで他車の接触を受けてスピン。車両を破損したうえ最後尾に落ちた。だが、そこから7周目には入賞圏内の8位まで順位を取り戻す。

 このころ雨がやや強くなったため、小林を筆頭に、ポールポジションからトップを走っていたルイス・ハミルトン(英国=マクラーレン・メルセデス)やアロンソ、フェテルもインターミディエート(軽い雨用)タイヤに交換。晴れ用タイヤで走り続けたバトン、ニコ・ヒュルケンベルク(ドイツ=フォースインディア・メルセデス)がレースをリードする形になった。

 18周目にヒュルケンベルクがバトンを抜いてトップに。このころには雨が弱まり、インターミディエートに換えたアロンソやフェテルが、今度は晴れ用タイヤに交換するため続々とピットに入った。

21周目にニコ・ロズベルク(ドイツ=メルセデス)が路面上に落ちた破片を踏んでタイヤをバースト。これを受けて破片除去のため、29周目までセーフティーカー(SC)先導となる。

 ヒュルケンベルク、バトン、ハミルトン、アロンソ、フェテル、小林の順で30周目にレース再開。直後の第1コーナーで小林はフェテルを抜いて5位に浮上する。

 31周目にはハミルトンがバトンを抜いて2位へ。32周目に小林はアロンソを抜いて4位となるが、次の周にはアロンソに抜き返される。ペースを上げてきたマッサが34周目にフェテル、37周目には小林を抜き5位に上がった。

 48周目、また強くなり始めた雨のため単独スピンを喫したヒュルケンベルクを抜き、ハミルトンが首位へ。ヒュルケンベルクは55周目の第1コーナーでハミルトンを抜こうとして接触し、スピン。ハミルトンは左前輪のサスペンションを破損しリタイアする。この事故の間にバトンがトップに立った。ヒュルケンベルクは事故を起こした責任でドライブスルー・ペナルティーを受け、さらに順位を落とす。

 雨が本降りになり、各車は雨用タイヤに交換。これでバトン、マッサ、アロンソの順となり、フェテルは7番手、小林は8番手に。62周目にアロンソがマッサを抜いて2位に浮上、フェテルも64周目にシューマッハーを抜いて6位に上がった。

 小林は70周目にスピンを喫し、1つ順位を落とした。その直後、ポール・ディレスタ(英国=フォースインディア・メルセデス)が最終コーナーでスピンし、コンクリート壁に激突。これで2度目のSC先導となり、そのままレースは終了した。

(11/26 07:53) MSN産経ニュースより

3連覇のフェテル、チームに感謝

 タイトル争いの決着は、あまりにも劇的なレースの末に訪れた。史上最年少で3度目の王座に輝いたフェテルは「この気持ちをどう表現したらいいか分からない。興奮しすぎて、つっつかれても感じられないぐらいだ」と感動を表した。

 スタート直後のコーナーで後続から接触されてスピン。最後尾まで落ちた。「車はダメージを受けていて、特に路面が乾いた状態でスピードが落ちていた」という。

 「正直に言って、あれで終わったと思った」と、フェテル以上に驚き、落胆したのがチームのエイドリアン・ニューウェイ技術監督。「車が動いているのを見て驚いた」。車を写真に撮って状態を確認したところ、排気システムの部分がひしゃげていたという。「通常、あの手の損傷を排気エリアに受けると、熱がこもって出火するんだ」

 チームは、できるだけ排気の温度を下げるようエンジンの出力特性を変更するなど対応したが、「それだけ速さは失われた」と同技術監督。フェテルの車載無線が故障していたことでチームの対応を伝えるのにも苦労したが、それでもフェテルは7周目には8位まで浮上する速さを示した。

 雨が強まり始めた終盤には、晴れ用タイヤに交換した2周後に雨用タイヤに再交換するドタバタも。これで11位まで落ちたが、そこからさらに追い上げた。結果的にアロンソが2位に終わったため、7位以上なら王座が確定する状況で、十分となる6位でチェッカーを受けた。

 「信じられない。人生でも最もキツいレースだったよ」とフェテル。昨季はマシン性能で他を圧していたこともあり、4戦を残して早々と王座を決めた。技術規定の改正で優位性を失った今季は、4月の第4戦で初勝利したものの、2勝目は9月の第14戦。その間にアロンソからは最大で39点差まで離された。

 だが9月以降はニューウェイ技術監督らによる開発が進み、日本GPを含め第17戦まで4連勝でランク首位へ。第18戦では違反で最後尾スタートとなりながら圧倒的な速さで3位表彰台に上がり、ポイントでアロンソの逆転を許さなかった。「何より大事なのはシーズンを通して全員が自分たちを信じ、正しい方向に進み続けていたことだ。互いに一丸となって戦ったことを誇りに思う」とフェテルはチームに感謝を示す。

 レースを終え、車両保管所で車から出ると、真っ先に母国のヒーローだったシューマッハーと抱き合い、祝福を受けた。シューマッハー、そして“伝説のドライバー”ファンジオと並ぶ3連覇を成し遂げた王者は「あこがれだったセナの母国で、彼や他の偉大な名前に自分が並べたなんて想像できない」。まだ25歳の王者はこの先、どんな歴史を紡いでいくのだろうか。

(11/26 10:29) MSN産経ニュースより

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