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2023MotoGP第20戦 バレンシアGP

イヤハヤ、一瞬たりとも目が離せない最終戦であった
続き

タイトル争いはマルティン転倒で決着! バニャイヤ優勝し、最高の形でMotoGPを2連覇|MotoGPバレンシアGP決勝

 11月26日、MotoGP第20戦バレンシアGPの決勝レースが行なわれた。優勝はフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)で、MotoGPクラス2連覇を達成した。

 2023年シーズン最終戦となるバレンシアGP。その決勝はバニャイヤとホルヘ・マルティン(プラマック)によるタイトル争いがついに決着するレースだ。タイトル争いはバニャイヤが14ポイントリードしており、5位以上でフィニッシュすれば自力チャンピオンが確定する。

 予選ではマーベリック・ビニャーレス(アプリリア)がポールポジションを獲得。しかし決勝日朝のウォームアップ中に白煙がマシンから上がるトラブルがあった後、オレンジボール旗を無視してしまったことで、3グリッド降格処分が決定。ポールポジションにはバニャイヤが繰り上がるという、バニャイヤ有利な風向きで決勝を迎えた。

 全27周の決勝レースはポールシッターのバニャイヤがしっかりと先頭をキープしてスタート。そして6番グリッドスタートのマルティンが好スタートを切り、ターン2でKTM勢を2台抜きで2番手まで浮上し、タイトル争いのライダーによる直接対決が始まった。

 彼ら2人のバトルは、4周目に大きく動いた。マルティンがバニャイヤを攻め立てていた際、ターン1のブレーキングでわずかに接触。マルティンがコースオフして一気に2秒後方の8番手までポジションをダウンし、タイトル争いの天秤は大きくバニャイヤに傾いた。

 そしてマルティンは追い上げを目指している6周目、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ)をターン4で追い抜こうとしたあとのクロスラインで接触があり、ふたりはクラッシュ。レースに再参加はできずリタイアとなり、ノーポイントが確定したため、バニャイヤの2023年王者がこの瞬間に決まった。

 一方で先頭を走っていたバニャイヤはKTM勢のブラッド・ビンダーとジャック・ミラーにプレッシャーをかけられ、3番手まで後退。ただ既にチャンピオンが決定しているため、バニャイヤとしては大きな問題はないと言えた。

 その後ビンダーはブレーキングで止まりきれず、ロングラップペナルティ用のコースを走行する場面があり、後退。トップ3はミラー、バニャイヤ、ヨハン・ザルコ(プラマック)という並びだ。

 残り9周、先頭を走っていたミラーがターン11で転倒。自身3メーカー目となる勝利を手繰り寄せつつあったが、そのチャンスを失ってしまった。

 これで先頭に浮上したのがバニャイヤだ。0.4秒後方にザルコが迫っていたものの、終盤のラップではその差を維持し続けた。ただファビオ・ディ・ジャンアントニオ(グレシーニ)が残り5周でビンダーを追い抜いて3番手に浮上すると、彼は猛烈なペースでトップ2を追い上げ始めた。

 そして残り2周、ディ・ジャンアントニオはザルコをターン11で抜いて2番手に浮上。ラストラップはバニャイヤも追い抜かんとチャージを続けた。

 しかしバニャイヤもそこは王者らしく、ディ・ジャンアントニオのアタックをいなし続けて、抜きどころでしっかりとブロック。最終コーナーを先頭で立ち上がり、チャンピオンがトップチェッカーを受けた。2位はディ・ジャンアントニオ、3位はザルコだ。

 チェッカー後はバニャイヤの師匠でMotoGPレジェンドのバレンティーノ・ロッシもコース上に祝福へ訪れており、2連覇の喜びを共有した。

 日本人ライダーの中上貴晶(LCRホンダ)は転倒者続出のこのレースを生き残り、12位でホンダ勢唯一の完走。2023年シーズンをランキング18位で終えた。

(11/27 00:35) motorsport.com 日本版より

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