トヨタ:F1今年限り撤退 日本勢ゼロに
トヨタ自動車は、自動車レースの世界最高峰、フォーミュラワン(F1)から今年限りで撤退する方針を固めた。4日に臨時取締役会を開いて正式決定し、豊田章男社長が東京都内で会見して発表する。トヨタは02年にF1に参戦。当初は12年まで継続する方針を示していたが、世界不況により2期連続の赤字となる見通しで、これ以上の費用負担は難しいと判断した。
F1を巡っては、ホンダも昨年限りで撤退しており、日本の自動車メーカーが完全撤退することになる。
F1参戦は、運営費や車両製造費などで年間数百億円かかるとされる。トヨタは国内外の新車販売支援策などで業績は最悪期を脱したとはいえ、依然として膨大な過剰生産能力を抱えており、5日に発表する09年9月中間連結決算も営業赤字となる見通し。トヨタは7月、傘下の富士スピードウェイ(静岡県小山町)でのF1開催から昨年限りで撤退することを表明したが、9月中間決算で黒字になったホンダなどに比べ大きく出遅れており、F1撤退によるコスト削減を決断した。
今後はF1チームのメンバーらの雇用を守るため、チームの譲渡などを検討する。共同参戦などの形で、運営費を大幅に圧縮し、F1にかかわり続ける可能性もある。
トヨタは今年、日本グランプリなどで2度の2位を獲得し、製造者ランキングでは5位で終わった。【米川直己、宮島寛、鈴木泰広】
(11/04 02:30) 毎日jpより |