アメリカで「第1回犯人逮捕選手権」が行われた。
多数の警察が参加して予選を闘い、決勝に残ったのは、CIA、FBI、シカゴ警察の3者。
決勝戦は、森にウサギを放し、それを捕まえた者が優勝である。
まずはCIAが森に入った。
CIAは、あらかじめ情報提供者を森に送りこんでいた。
そしてありとあらゆる動植物、虫、石ころにいたるまで聞きこみを行い、目撃証言を集めた。
調査は3ヶ月に及んだものの、結局ウサギは存在しなかったという結論に達した。
次にFBIが森に入った。
2週間探したが見つからなかったので、FBIはいきなり森に火を放った。
そして問題のウサギはもちろん、一般の動植物もみんな焼き殺した。
FBIは、ウサギを捕まえるためには仕方なかったと言って、詫びなかった。
最後にシカゴ警察が森に入った。
1時間後、シカゴ警察はひどく傷だらけのクマを連れて森から出た。
クマはおびえた様子で言った。
「わかった、わかりました。私がウサギです・・・」