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レス無用 独り言すれ!ッド
[15]無断転載 1/32:04/02/09 01:23
『 美 雪 』
いつの頃からだろうか、彼女がこのコンビニに来る様になったのは。
彼女は毎日同じ時間にやって来て、毎日同じ物を買って行く。
220円のサンドイッチと120円のフルーツジュース。
二つ合わせて、税込みで357円
無論、毎日同じ物を買って行く客は他にも沢山いる。
ただ、俺が彼女の事を覚えたのは、彼女がとても綺麗だったからだ。
357エンニ ナリマス
_ ハイ !
_□ __//| ,,,,,,,
( 'A`) // ̄|_ (‘ー‘ヾ
(ヽ)ヽ/叺 /ノ( )ゝ
) ) | ̄ ̄ ̄|/ | |
 ̄ ̄ ̄
[16]無断転載 2/32:04/02/09 01:24
俺は何度も彼女に話し掛けようとした。
でも、それは出来なかった。
俺はどう見てもさえないコンビニの店員で、彼女は誰もが振り返る様な
とびっきりの美人。
相手にしてもらえるはずが無い。
そんなある日・・・・。
336エンニ ナリマス
_ アレ ?!
_□ __//| ,,,,,,, , _ 357エン ジャナイデスカ ?
( 'A`) // ̄|_ (‘ー‘ヾ丶
(ヽ)ヽ/叺 /ノ( )ゝ
) ) | ̄ ̄ ̄|/ | |
 ̄ ̄ ̄
[17]無断転載 3/32:04/02/09 01:24
ジュースメーカーのキャンペーンで、いつも120円のフルーツジュースは
その日から100円になっていたのである。
コノ ジュース
イマ 100エン ナンデスヨ
_ ソウナンダ…
_□ __//| ,,,,,,, ラッキー
( 'A`) // ̄|_ (^ー^ヾ
(ヽ)ヽ/叺 /ノ( )ゝ
) ) | ̄ ̄ ̄|/ | |
 ̄ ̄ ̄
[18]無断転載 4/32:04/02/09 01:24
そんな些細な事でニッコリ笑った彼女は一段と綺麗だった。
それから俺と彼女は毎日話しをする様になった。
ガクセイサン ナノ ? ンートネ…
_ イマハ「プー」カナ…
_□ __//| ,,,,,,, テヘヘ…
( 'A) // ̄|_ (‘ー‘ヾ
(ヽ)ヽ/叺 /ノ( )ゝ
) ) | ̄ ̄ ̄|/ | |
 ̄ ̄ ̄
ナマエハ? オレハ ドクオ ミユキ ッテ
_ ユウンダヨ
_□ __//| ,,,,,,,
( 'A) // ̄|_ (‘ー‘ヾ
(ヽ)ヽ/叺 /ノ( )ゝ 省3
[19]無断転載 5/32:04/02/09 01:25
ある日、俺は街中でみゆきを見掛けた。
彼女はその時、とある病院に入って行くところだった。
┌──────────┐
│ 茂名原 循環器病院 │
└──────────┘
____________
| | | |
| | | |
| | | | アレッ ? アノコハ
| | | ,,,,,, ミユキチャン カナ〜?
| | | (ー‘;ヾ (A` ) 省11
[20]無断転載 6/32:04/02/09 01:25
その時はたいして気にも留めてなかったが、後日、俺はその事を
みゆきに訊いてみた。
コノマエ ビョウインデ
ミカケタケド
オミマイニ イッタノ ? _ ウンン、チョット
_□ __//| ,,,,,, ビョウキ シチャッテ…
( 'A) // ̄|_ (ー‘;ヾ
(ヽ)ヽ/叺 /ノ( )ゝ
) ) | ̄ ̄ ̄|/ | |
 ̄ ̄ ̄
ソッカ…
ソレハ オダイジニ
_ ウン !!
_□ __//| ,,,,,,, アリガトウ
( 'A) // ̄|_ (‘ー‘ヾ
(ヽ)ヽ/叺 /ノ( )ゝ
) ) | ̄ ̄ ̄|/ | | 省1
[21]無断転載 7/32:04/02/09 01:26
元気そうなみゆきを見て、俺は安心した。
たいした病気ではなかったのだろう。
ところが、それからしばらくした日、彼女は俺の目の前で
急にうずくまってしまったのだ。
ミッ…、ミユキチャン ?!
_
_□ .__//|_ ウッ……
Σ(; ゚A゚) // ̄|__/| lll|,,,,, ………
(ヽ)ヽ/  ̄ // (ー‘;ヾ
) ) | ̄ ̄ ̄|/ ノ(ノ)
 ̄ ̄ ̄ ⊂⊂
ミユキチャン
_ダイジョウブ ?!
__//|_ _□ ダイジョウブ ダヨ… 省9
[22]無断転載 8/32:04/02/09 01:26
オレノヘヤニ イコウ
_コノ スグウラ ダカラ
__//|_ _□
// ̄|__/|(; ゚A゚). ,,,,, デモ…、ソレハ
/  ̄ /./ (ヽ)ヽ(ー‘;ヾ ドクオサンニ ワルイワ
| ̄ ̄ ̄|/ ) ) ノ(ノ)
 ̄ ̄ ̄ ⊂⊂
ソンナコト キニスルナヨ !
_ サア…
__//|_ _□. ,,,,,, …ウン
// ̄|__/|(; ゚A゚) (ー‘;ヾ
/  ̄ /./ (ヽ)ヽノ(ノ)
| ̄ ̄ ̄|/ ) ) .((
 ̄ ̄ ̄
[23]無断転載 9/32:04/02/09 01:27
俺はみゆきをアパートの部屋の連れて帰り、布団に寝かし付けた。
30分程するとみゆきは元気になり、いつもの様に話し始めた。
|
ゴメンナサイネ |
ドウシチャッタンダロウ ______|
キョウノ ワタシ ,,,,,,, キニスルナッテ !! \
ソ‘ー‘) ソレニ、タダノ タチクラミ ダト \
/⌒ソ( )ゝソ⌒) ('A` ) オモウヨ、キット \
//⌒⌒⌒) / ノ(ノ )
/ (___ノ / ⊂⊂
(______ノ
[24]無断転載 10/32:04/02/09 01:27
|
ドクオサン ッテ |
ヤサシイノネ ______| \
,,,,,,, \ ................
ソ^ー^) イヤ…、ソウユウ ワケジャ… \
/⌒ソ( )ゝソ⌒) ('A`;) テレチャウナ… \ /
//⌒⌒⌒) / ノ(ノ )
/ (___ノ / ⊂⊂
(______ノ
|
トコロデ… | 省20
[25]無断転載 11/32:04/02/09 01:28
この時から、みゆきはよく俺の部屋を訪れる様になった。
彼女が俺の部屋に来た何度目かの時、俺は意を決し、
心の内を彼女に打ち明けた。
ミユキチャン
| オレハ キミガ スキダ
| ,,,,,,, エッ !…
| ( 'A`) (‘ー‘ヾ
/ ̄ (ヽ)ヽ ̄ ̄ ノ(ノ )
/ ⊃⊃ ⊂⊂
オレト コイビト トシテ
| ツキアッテ クレナイカ ? アオリガトウ ドクオサン
| ,,,,,,, デモネ……、
| ( 'A`) (‘ー‘ヾ
/ ̄ (ヽ)ヽ ̄ ̄ ノ(ノ )
/ ⊃⊃ ⊂⊂
[26]無断転載 12/32:04/02/09 01:28
みゆきは話しを続けた。
私の「みゆき」は「美雪」って書くの。
雪は触れるととっても冷たくて、すぐ溶けて無くなって
しまうの。
だから、雪には触れちゃダメなの。
\_________ _____________/
V
,,,,,,,
(‘ー‘ヾ
ノ(ノ )
意味が判らない・・・・・・。('A`;) ?
ソレハ「オレジャ ウンン !
| ダメ」ッテ コトナノ ? ソウジャ ナイノ !!
| ,,,,,,, デモ…、 省19
[27]無断転載 13/32:04/02/09 01:28
その次の日も、美雪はいつもと同じ時間にコンビニへやって来た。
気まずさを感じていた俺に、美雪は自分から話し掛けてくれた。
キョウモ ドクオサンノ
ヘヤニ イッテモ イイカナ ? アア、
,,,,,,, _□ ジャア マッテルヨ
ソ‘ー‘) ____ ('A`)
ノ( )ヽ/./\_/ノ( )ヽ
| | | ̄\/// .( (
| ̄ ̄ ̄|/
 ̄ ̄ ̄
バイトを終え部屋に帰ると、美雪はすでに俺の部屋の前で待っていた。
その時の美雪の妙に思い詰めた様な顔が気になったのだが・・・・・。
キノウノ ヘンジヲ
| キカセテ クレルノ? ウン… 省11
[28]無断転載 14/32:04/02/09 01:29
昨日、毒男さんに「好きだ」って言われて、私、本当に嬉しかったの。
今まで男の人から「好き」って言われた事なんて一度も無かったから。
\___________ _________________/
V
,,,,,,,
(‘ー‘;ヾ
ノ(ノ )
そんな事は無いだろう ?
美雪ちゃんはとても綺麗で、肌だってホラ、こんなに真っ白で・・・・・。
俺なんかが見ると眩しいくらいで・・・・・。
\___________ _________________/
V 省5
[29]無断転載 15/32:04/02/09 01:29
私の肌が白いのはね・・・・、新鮮な血が体に行き渡らないからなの。
毒男さん、私の手を触ってみて・・・・。
\___________ _________________/
V
,,,,,,,
(‘ー‘;ヾ
,,ノ(ノ )
| ツメタイ !!
| ,,,,,,, デショウ…
| Σ (; 'A) (ー‘;ヾ
/ ̄ ̄ ̄ (ヽ)ヾ,,ノ(ノ )
/ 」」 ⊂⊂
[30]無断転載 16/32:04/02/09 01:29
その時、俺は昨日の美雪の言葉を思い出した。
"""""""""""""""""""""""""""""""""
" 雪は触れるととっても冷たくて "
" すぐ溶けて無くなってしまうの。 "
" \_____ _______/ "
" V "
" ,,,,,,, "
" (‘ー‘ヾ " 省36
[31]無断転載 17/32:04/02/09 01:29
私の手足はとても冷たいの。
これはね、「血の巡り方が普通じゃないから」って教えてもらってる。
\___________ _________________/
V
,,,,,,,
(‘ー‘;ヾ
ノ(ノ )
ソレハ…
| ドウユウ コトナノ? コレガ…
| ,,,,,,, ワタシナノ…
| (; ゚A) (ー‘;ヾ
/ ̄ (ヽ)ヽ ̄ ̄ ノ(ノ )
/ ⊃⊃ ⊂⊂
[32]無断転載 18/32:04/02/09 01:30
私は心臓に病気を持って生まれて来たの。
普通の薬や手術では治せない病気なんだって。
今まで何度も発作を起こして、何度も死んでしまいそうになって・・・・。
だから・・・・、今でも発作を抑える薬を毎日注射してもらってるの。
\___________ _________________/
V
,,,,,,,
(‘ー‘;ヾ
ノ(ノ )
…ソレデ アノ
| ビョウインニ…
| ,,,,,,, …ウン
| (; 'A) (ー‘;ヾ 省4
[33]無断転載 19/32:04/02/09 01:30
発作が起きるたびに死にそうになって・・・・・・
それでも、今までなんとか生きて来て・・・・・・
でも、いつもお医者さんに「次の発作の時は命の保障は出来ない」
って言われ続けてて・・・・・・・。
こんな私だから、周りの男の子達はみんな私を避けていたの。
\___________ _________________/
V
,,,,,,,
(‘ー‘;ヾ
ノ(ノ )
私ね・・・・、子供の頃から一度も走った事が無いの。 省27
[34]無断転載 20/32:04/02/09 01:30
ごめんね・・・、毒男さん。
本当は、もっと早く話さないといけないって私わかってた。
でもね・・・、でもね・・・私も他の子と同じ様に恋がしてみたくて・・・・。
それにね・・・、それにね・・・・
毒男さんが・・・、毒男さんが・・・優しかったから・・・・・。
\___________ _________________/
V
,,,,,,,
(ー‘。ヾ
( ノ)
ごめんね・・・、ごめんね・・・・。
私、馬鹿だから・・・、本当に馬鹿だから・・・・ 省27
[35]無断転載 21/32:04/02/09 01:30
だからね・・・、だから毒男さんには・・・・
私の事は早く忘れて欲しいの。
\___________ _________________/
V
,,,,,,,
(ー‘。ヾ
( ノ)
┌────┐
│ │ │
│ │ │ ミッ…
│ │ ,,,,,,, ゴメンナサイ… ミユキチャン…
│ │ (ー‘ ヾ゚ ゚。 ヽ(A゚ ;) 省8
[36]無断転載 22/32:04/02/09 01:31
┌────┐
│ │ │
│ │ │ ……
│ │ | ミユキチャン…
│ │ | (A` ;)
│ / .| ノ( )ヽ
│/ .| ( (
└────┘
泣きながら美雪が出て行ったドアを、俺はボーゼンと見つめていた。
何も出来ずに・・・、何も言えずに・・・・。
[37]無断転載 23/32:04/02/09 01:31
それから俺は悩み続けた。
男と女として交わる事が出来ない美雪。
コドモモ ウメナイノカ…
_
_□ __//|_
(; 'A) .// ̄|_./|
(ヽ)ヽ/  ̄ /./
) ) | ̄ ̄ ̄|/
 ̄ ̄ ̄
一度発作が起きると、命を落としてしまうかも知れない美雪。
ホッサヲ カンゼンニ
| オセエラレナインダロウカ…
| ('A`;)
/ ̄ノ( ヘヘ ̄ ̄
[38]無断転載 24/32:04/02/09 01:32
三日間考え続け、俺は心を決めた。
俺は美雪の為にこれからの人生を生きて行こう。
俺は美雪のそばに居られるだけで幸せだ。
俺は力の限り美雪を守り続ける。
\_____ ____________/
V
ゼッタイニ!!
('A`)
ノ( )ヽ
次の日、俺はバイトを休み、あの病院の前で美雪を待つ事にした。
あれから美雪はコンビニへは来なかったが、ここで待っていれば
美雪に会えるはずだ。
┌──────────┐
│ 茂名原 循環器病院 │
└──────────┘
____________ 省22
[39]無断転載 25/32:04/02/09 01:32
しかし、その日美雪は病院へ来なかった。
その次の日も俺は一日病院の前に立ち続けたが、美雪は来なかった。
三日目の夕方、一人の看護婦が俺に声を掛けて来た。
┌──────────┐
│ 茂名原 循環器病院 │
└──────────┘
____________
| | | |
| | | | ココニ ナニカ
| | | ゴヨウ デスカ ? ヒトヲ サガシテ
| | | ヽ⌒ノ イルノ デスガ…
| | | ソ´ー`) (A` ;) 省49
[40]無断転載 26/32:04/02/09 01:33
┌──────────┐
│ 茂名原 循環器病院 │
└──────────┘
____________
| | | |
| | | | アア…
| | | ソノヒト ナラ… ヨカッタ
| | | ヽ⌒ノ ワカリマスカ !!
| | | ソ´-`) (A` ;)
| | | ノ( )ヽ ノ( )ゝ
| | | | | ( (
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
省15
[41]無断転載 27/32:04/02/09 01:33
エッ ?!
美雪ちゃんが死んだ ?!
\_____ ____________/
V
ウソ ダロ…
(゚A゚ ;)
ノ( )ヽ
| |
[42]無断転載 28/32:04/02/09 01:33
美雪は再び発作を起こし、医師の懸命の処置にも関わらず
帰らぬ人となってしまったそうだ。
ミユキ チャン…
(; 'A)
ノ( )ヽ
、、、、、 ノ )
"""""""""""""""""""""""""""""""""
" 雪は触れるととっても冷たくて " 省48
[43]無断転載 29/32:04/02/09 01:34
俺が、答えの判りきっている事を悩んでいる間に、
美雪は死んでしまっていた。
六日も前に・・・・・。
ムイカ…?
| , _ ムイカマエ ッテ…
| (; ゚A)丶
/ ̄ノ( ヘヘ ̄ ̄
あの日じゃないか !!
┌────┐
│ │ │
│ │ │ ミッ…
│ │ ,,,,,,, ゴメンナサイ… ミユキチャン…
│ │ (ー‘ ヾ゚ ゚。 ヽ(A゚ ;)
│ / ( )ゞ ( )ヽ
│/ (( 、、、、、 ( (
└─── 省18
[44]無断転載 30/32:04/02/09 01:34
馬鹿だ!!、大馬鹿野郎だ俺は!!
何故、何故あの時、美雪に・・・・・
┌────┐
│ │ │
│ │ │ ミユキチャンガ ドンナカラダデモ
│ │ ,,,,,,, オレハ カワラナイ !!
│ │ ソ‘ー )゚。 (A` ;)
│ / ノ( ) ノ( )ゝ
│/ | | ( (
└───
そう・・・言えなかったんだ・・・・・。
この馬鹿野郎・・・・・。
| バカ ヤロウ…
| (⌒ (; 'A)
/ ̄ ̄」」 | | ゚。。  ̄ ̄
・・・・馬鹿野郎・・・・・
[45]無断転載 31/32:04/02/09 01:34
今も俺はこのコンビニで働いている。
そして、今でもあの時間になると、美雪がサンドイッチと
フルーツジュースを買いに来る様な気がしてならない。
イラッシャイ
_ コンニチハ
_□ __//| ,,,,,,,
( 'A`) // ̄|_ (‘ー‘ヾ
(ヽ)ヽ/叺 /ノ( )ゝ
) ) | ̄ ̄ ̄|/ | |
 ̄ ̄ ̄
[46]無断転載 32/32:04/02/09 01:34
そして・・・・、独りでそっと呟く。
ゴメン…
ジュース 120エンニ モドッチャッタ…
_
_□ __//|_
( 'A) // ̄|_./|
(ヽ)ヽ/  ̄ /./
) ) | ̄ ̄ ̄|/
 ̄ ̄ ̄
_
_□ __//|_ ごめんね
( 'A) // ̄|_./|
(ヽ)ヽ/  ̄ /./ 美雪ちゃん・・・・・
) ) | ̄ ̄ ̄|/
 ̄ ̄ ̄
糸冬
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